A-Field craft Lab.

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PROJECT

ENCLOSURE#1
楽器アンプ用キャビネットの構造を考える

製作方法、強度、重量、内部構造を含め、楽器アンプ用エンクロージャーの構造そのものを検証するプロジェクト。

Status: Ongoing / Category: Cabinet

概要

楽器アンプ用キャビネットを、音響特性だけでなく、製作方法、強度、重量、内部構造を含めて考え直すプロジェクトです。 一般的な材料や加工方法を基本としながら、製作設備への依存をできるだけ減らし、十分な強度と実用性を持つ構造を検討します。 また、補強や内部構造がキャビネットの振動や内部の音の反射にどのような影響を与えるのか、 実際の試作や測定を通して検証していきます。

狙い

  • 特殊な設備や大型の固定治具への依存をできるだけ減らす
  • 一般的な材料や加工方法で製作できる構造とする
  • 重量増加を抑えながら、必要な強度を確保する
  • 補強や内部構造が振動や音の反射へ与える影響を検証する
  • 製作方法、構造、重量、音響特性を含め、楽器用エンクロージャーとしての可能性を探る

研究履歴

構造案2 TriRibによる軽量補強

重量増加をできるだけ抑えながらキャビネットを補強する方法として、軽量な内部補強構造を検討した。 着想の元となったのは、建築における鉄骨構造の補強方法である。 鉄骨構造では、斜材や三角形を利用して構造を安定させる方法が用いられている。この考え方をキャビネット内部の補強にも応用し、 少ない材料でパネルを効率よく補強できないかと考えた。 そこで、キャビネット内部の四隅へ三角形状のリブを配置する構造を「TriRib(トライリブ)」と名付けた。 TriRibは、三角形を意味する「Tri」と、補強材を意味する「Rib」を組み合わせたA-Field craft Lab.による造語である。 第一の目的は、軽量化と補強の両立である。 一方、この構造ではキャビネット内部の四隅に斜面が形成される。 補強材によって生まれるこの形状を構造部材としてだけでなく、内部で発生する音の反射を変化させる要素としても 利用できるのではないかと考えた。 この音響面での発想には、津軽三味線の胴内部に施される綾杉彫りのように、内部表面の形状を利用する構造からも着想を得ている。 TriRibと綾杉胴は構造も用途も異なるが、補強のために設けた内部形状を、音の反射を整えるためにも利用できれば面白い。 予備シミュレーション 実際の試作に先立ち、TriRibの有無によってキャビネット内部の波動にどのような違いが生じる可能性があるか、 簡易的なシミュレーションを行った。 リブのないモデルとTriRibを配置したモデルを比較すると、内部における波面の反射や干渉の様子に違いが現れることが確認できる。 このシミュレーションは、実際のキャビネットにおけるTriRibの音響効果を実証するものではなく、内部形状による反射の変化を 視覚的に確認するための予備検討としている。

TriRibなし
TriRibあり

今後は実際のキャビネットを製作し、重量、補強効果、パネル振動、内部反射、周波数特性、実際の出音などから効果を検証する。

構造案1 固定治具に依存しない箱組み

キャビネットを製作する際、接着する板材を固定し、箱の形状を維持するためには、一般的にクランプやハタガネなどの固定治具を使用する。 特にある程度の大きさを持つキャビネットでは複数の大型治具が必要となるため、製作設備への依存も大きくなる。 そこで、接着時の固定そのものを木ビスで行う方法を検討した。 板材の接合面へ接着剤を塗布し、木ビスで板同士を引き寄せながら箱の形状を固定する。その状態で接着剤を硬化させることで、 木ビスを仮設の固定具として使用する。 接着剤の硬化後は木ビスを撤去する。 残ったビス穴を木ダボに合わせて加工し、接着剤を塗布した木ダボを挿入。硬化後に突出した木ダボを板面に合わせて切断する。 完成時には木ビスを残さず、接着された箱の接合部へ木ダボが入った構造となる。 木ダボが接合部を横断することで、単純な突付け接着に対する補強としても機能する可能性がある。 フィンガージョイントなどとは異なる構造ではあるが、特殊な加工設備を必要とせず、接着と木ダボを組み合わせることで、 箱として十分な強度を得られるか検証する。 まずはこの方法で、箱として必要な直角精度、接着状態、接合強度を確保できるかを確認する。