MIC#2 試聴音源、使用例
コンデンサーマイクとMIC#2(フィルムピエゾ)を同時に録音し、それぞれの出音を比較した。
小規模な会場では、客席へ直接届く三味線の生音と、PAやアンプから出力されるフィルムピエゾの音が混ざって聞こえる。
そのため、コンデンサーマイクとフィルムピエゾをミックスした音源も、実際の使用環境を想定した参考として収録している。
コンデンサーマイク(生音)
三味線の生音をコンデンサーマイクで収録。
フィルムピエゾ
MIC#2のフィルムピエゾからの信号を収録。
コンデンサーマイク + フィルムピエゾ
コンデンサーマイクとフィルムピエゾをミックス。
小規模な会場で、生音と拡声音が同時に聞こえる状態を想定した参考音源。
使用例:クリーン系ギターアンプ
Clean Amp Simulation + フィルムピエゾ
マイクやPA設備を使用できない環境を想定し、フィルムピエゾの信号をクリーン系ギターアンプへ入力した場合を、
DTM上のアンプシミュレーションで再現した例。
ピエゾ特有のアタック感は残るものの、アンプ側の音作りを含めて調整することで、三味線の拡声手段として使用できる。
小規模な会場では三味線本体の生音も客席へ直接届くため、生音とアンプからの音が混ざった状態で聞こえることを想定している。
応用例:ギターアンプによる音作り
JCM800 Style Amp Simulation + フィルムピエゾ
フィルムピエゾの信号をDTM上のJCM800系アンプシミュレーションで加工し、積極的に音を変化させた例。
MIC#2は生音を忠実に拡声する用途だけでなく、エフェクターやアンプを使用して、
三味線をバンド内の電気楽器として扱うための入力装置としても利用できる。
現時点でMIC#2としての開発はいったん区切りとしているが、使い方については特に限定していない。
面白い使い方を思いついた方がいたら、ぜひ教えてください。
実戦使用・音響評価
完成した試作機は、バンド編成でのライブ演奏に2回程度使用した。
駒へ直接挟み込む構造のためか、
出音はアタックが強く感じられる一方、
生音と比較するとサスティーンは短く感じられる傾向がある。
また、フィルムピエゾ特有と感じる音色の癖があり、
特に駒を低く設定している三味線では、
これらの傾向がより顕著に感じられた。
そのままの出音では津軽民謡における三味線の生音を
忠実に拡声する用途には検討の余地があるが、
バンド編成ではイコライザー、コンプレッサー、
サスティナーなどを併用することで調整が可能だった。
実際のライブ演奏でも使用できたことから、
バンド内で使用する三味線用ピックアップとしては
個人的に実用可能な状態に達したと判断した。
試作3号 XLR出力化
試作2号までの結果を踏まえ、
出力端子とシールド構造について再検討した。
これまでの試作ではフォーンジャックを使用していたが、
フィルムピエゾ素子の信号線とシールドを分離できる構成とするため、
試作3号ではXLR端子を採用した。
ピエゾ素子のプラス側・マイナス側とは別にシールドを接続することで、
外来ノイズの影響をさらに抑えることを狙った。
また、演奏現場ではマイク入力としてXLR端子が広く使用されているため、
PA機器への接続やケーブルの汎用性も考慮した。
試作2号の最小限のシールド処理を基本としながら、
信号経路とシールドを分離した現在の構造となった。
試作3号 XLR出力化したMIC#2
試作3号を三味線へ装着した状態
試作2号 部分シールド
試作1号の結果を受け、シールド方法を再検討した。
確認を進める中で、フィルムピエゾ素子は手で直接触れなければ、
全面をシールドしなくても大きなノイズを拾いにくいことが分かった。
そこで試作2号では全面への銅箔処理をやめ、
配線取り出し部を中心とした根元部分のみをシールドする構造へ変更した。
これにより駒へ挟み込む部分を薄くすることができ、
試作1号と比較してビビりも減少した。
必要なノイズ対策を残しながら、
駒への機械的な影響をできるだけ小さくする構造とした。
試作2号 配線取り出し部を中心とした部分シールド
試作1号
フィルムピエゾ素子をそのまま使用したところ、
素子へ手で触れた際にノイズを拾いやすいことが確認された。
そこで試作1号では、フィルムピエゾ素子の全面へ銅箔を貼り、
シールドする構造とした。
ノイズ対策としては機能したものの、
銅箔を含めた素子全体の厚みによって駒が浮きやすくなり、
演奏時にビビりが発生しやすいことが分かった。
シールド性能だけでなく、
ピックアップを挟み込むことによる機械的な影響を
小さくする必要があると判断した。
試作1号 フィルムピエゾ素子を銅箔で全面シールド
2024.09 方式検討
三味線を拡声する方法として、楽器本体へ加工や恒久的な部品の取り付けを行わず、
容易に着脱できるピックアップを検討した。
着想の元となったのは、コントラバスなどで使用される、
駒へ挟み込んで振動を検出する方式のピックアップである。
三味線も弦の振動を駒から皮へ伝える構造を持つことから、
同様に駒周辺で振動を検出する方法を検討した。
そこで、薄く、挟み込み構造へ組み込みやすいフィルムピエゾ素子に着目。
三味線本体へ穴あけや接着を行うことなく装着でき、
容易に元の状態へ戻せるピックアップとして試作することにした。